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「呪われた僕たちは冠を手にしたがる。」 へのレビュー
2019年06月01日 サークルZ印 さん
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幼馴染の三人の間に生まれる三角関係の物語。 異性愛にせよ同性愛にせよ、幼馴染の友達から恋人に発展するという筋書きの話では 今までの関係性が損なわれてしまうことの恐れが描かれることが多いですが、 本作品では告白をきっかけにジェットコースターのように三人の友情が崩壊していきます。 三角関係の中心となる主人公準太は、太陽のように暖かい心を持った少年で、他二人は彼の愛を得るために熾烈な争いを始めます。 極めてまっとうな倫理観を持ち、なおかつノンケである準太は そんな友人二人の間で深い苦しみを背負うのですが、 二人にも後には退けない事情があります。 それは、彼ら三人の母親の間の確執に端を発するもので……と プレイ時間は短めながらも、物語が重層的に入り組んでいて 登場人物のキャラクター造形にも説得力があり、 とても密度の濃いストーリーテリングを楽しめました。 準太の心は友人二人に平等に注がれているのですが、 彼等はそれでは満足できず、自分こそが特別になりたい、 相手に勝って「冠」を手にしたいと傷つきながら争います。 そんな歪んだ愛の形こそが、本作のテーマであり醍醐味と言えるでしょう。 そして、準太の選択によって結末は変化し……。 詳細はネタバレになるので避けますが、どの結末も無理がないというか、 流れとしてこうならざるを得ないだろうな……という悲哀があります。 一度壊れた関係は、簡単には元に戻らない。 そんな大切なことを教えてくれる作品だと思います。
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