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「高校野球道」シリーズの異色作、直接的には「高校野球道2」の系統に当たる作品で、女子野球をテーマとしています。「高校野球道」では日本全国の実在の高校をモデルにした学校で甲子園を目指しますが、このゲームでも実在の男女共学高校または女子高校をモデルとする学校が登場して、全国制覇を目指します。現実に女子野球部を持つ高校は稀ですから一種の仮想設定になっているわけで、従来と違って現実の甲子園の強豪校が必ずしも強くなかったりします。

従来の「高校野球道」と違うのは、単に選手が女子になっただけでなく、ゲーム冒頭に女子野球部の創設をプレイヤーに持ちかける初代マネージャー・沖 祐子や神社の娘である御巫(みかなぎ)姉妹など野球部の軸となるキャラクターが設定され、それに伴う演出が加えられた点が挙げられます。淡々と練習メニューをこなして試合をする展開の中で、時々思い出したように描かれる彼女たちの演出は、ともすれば単調になりがちなゲーム展開に良いアクセントを与えていて、気づけば男子版の高校野球道よりも引き込まれている自分に気づくでしょう。ちなみに、ゲーム開始時に制服やユニフォームなどを好みに設定できますが、制服には幾つか、どこかで見たようなデザインも含まれています。

難点は、発表年がやや古いことと、サンプル画像にある様に試合中の選手がみんな同じ姿になってしまう点、それとリアル指向の野球ゲームだけに魔球などは無く少し地味な点でしょうか。けれど、見た目に反して本格的ですから、一風変わった雰囲気の野球ゲームを遊んでみたい方にお勧めです。