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「何も知らない」 的鑒賞

オススメ! 過ちを犯した罰として隣人との肉体関係を持ち続ける人妻

2015年09月26日   kappa河童 先生/女士

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同窓会でかつての恋人と再会し、酔った勢いで一度きりの過ちを犯してしまった人妻「長澤麻美」が、その事実を偶然知った隣人「剛田」に弱みを握られてしまい、ずるずると肉体関係を持ち続けている日常からじまる物語。

全編109ページのフルカラーであり、美しい人妻の姿が一定のクオリティを維持したまま描写されている点が素晴らしい一言に尽きます。

人妻ネトリモノによくあるような、じわじわと人妻を追い込んでいくという展開でなく、物語の開始時点で人妻が隣人との肉体関係を夫や娘との「日常」を壊さないために日常の中で繰り返される出来事としてすでに受け入れている点が新鮮だった。弱みを握って身体を弄ぶ隣人を恨むでもなく、自らの一度の過ちが招いた報いであると、隣人との関係を続けた人妻の描写が何とも叙情的で、彼女の壊れた日常と抱えた秘密の行き先がどうなっていくのか、ページをめくる手が止まらず、最後まで一気読みしてしまった。

最後まで彼女の秘密は夫に明るみにでることはなかったものの、彼女の夫が知らず知らずのうちに彼女の壊れた日常を受け入れてしまっていたというくだりは、物語がまだまだ続いていくことを予感させた。

個人的には、人妻が隣人に弱みを握られて肉体関係を持ってから、物語が開始するまでの4か月間の隣人との生々しい関係の描写や、何度も夫以外の精を受け止める中で、待ち受ける悲劇に対する懊悩などの内面の描写をもっと見てみたい気がした。リビング以外での肉体関係の描写も見てみたかった。

続きや前日譚を含め、是非続編を読んでみたいそう思わせる出来栄えでした。おススメです。

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緣由*