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「濡れ透けJ○ その後」 へのレビュー

オススメ! 男の葛藤と煩悩の物語、その終幕とは

2015年10月16日   Negapoodle さん

このレビューは参考になった x 8人

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前作もたっぷりと楽しむことが出来る、濃密な作品でした。しかし、それも幾年月前。いつの間にかそれも心の隅に忘れられていました。
そこへ突然、この続編が発売されたのです。驚きと感動を覚えました。

この作品を鑑賞する上で大切なことがあります。

●『おじさん』の心情
前作も含め、作中全体に渡って『おじさん』の心の描写が事細かく綴られています。若い肌への純粋な憧れ、徐々に高まる衝動、行為中の背徳感と高揚感。そして行為が終わってしまった後の罪悪感、恐怖心。
そして今回『おじさん』が少女と再会することで、心の片隅に残っていたその感情がどっと蘇ります。
こうした彼の感情描写が本作(及び前作)ではとても精密で、読み手としても二人の性行為だけでなく物語そのものへ感情移入していくことができます。そこから得られる興奮や背徳感は他にないものがあります。

●『少女』が見せる表情
性的暴力への恐怖に怯えたり、時には快楽に抗えず時に絶頂に弾けたり、その表情の描写の豊かさは彼女への加虐心や性的愛情を強く煽ります。
しかし、唯一「蔑み」の表情だけは全く見せることはありませんでした。男がどれだけ痛めつけても、卑劣に逃げ出しても、作中で少女は一度も男を蔑むようなことはありませんでした。そして、再び再会したその時、彼女の表情は・・・
その優しさが彼女の魅力を引き立てると同時に、この作品の後味の悪さを和らげるポイントとなっています。

●『おじさん』とはあなた自身なのです
ずっと以前から前作を購入し、楽しまれた方も多くいらっしゃるかと思います。元々続編の予定はあったとのことですが、望まずもこの作品の存在を忘れてしまっていた方が今回の続編の告知を唐突に目にした時、あの背徳的な光景を思い出しその先の展開に不安と僅かな期待を覚えたでしょう。

それこそが、『少女』と再会してしまった『おじさん』の心情そのものなのです。

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