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　作品をおすすめする、にチェックを入れようとして、ふと悩みました。
　この作品は大変クォリティが高く、抜きどころが多くて、そして底抜けに救われない結末です。これって、人に勧めていいものかちょっと悩んでしまいました。

　すでにご指摘のあるとおり、この作品は悪い女に人生を台無しにされてしまう才能豊かな少年のお話です。
　彼に感情移入しすぎると、8、9ファイル目は相当きつくなります。感情移入してなかった私ですら、正直「うわあ……そこまでするんだ……」とドン引きしました。
　声優の野上さんの演じ方は本当に素晴らしくて、それだけに感じるところは多い。最後の高笑いなんて、(歌舞伎にある)大宰府へ向かう菅原道真をあざけ笑う時平並です。
　こちらもすでにご指摘がありますが、そんな彼女の前途も暗い。短絡的な選択をしていて、聴いてるときは「なるほど、そっちを選んじゃうか。馬鹿だなあ」と思いましたもの。なんか、本当に救いがないなあ。

　しかし、色仕掛け物としては出色の出来で、本当に素晴らしい作品でした。惜しむらくはスクリプトが付いてない点ぐらいでしょうか。
　ホント、もう野上さんの演技は神懸かってますね。彼女の喘ぎ声のうさんくささったらないんですが、それがまた麻薬のように心地よく沁みて興奮を煽る。
　色仕掛けで破滅させられたい願望を持つ方にとっては、ベストの作品です。特に推薦できる作品ですね。
　値段は千円以上ですが、高いってことはまず有り得ない作品です。