舉報鑒賞

あらすじを読んでも、ストーリーがよく分からない。
作者さん曰く「物語の意味を読み取って進める」タイプということで、かえって謎めいた部分が気になり購入しました。
なぜ一夜たちは塔に呼ばれたのか?
姫の目的は何か?　なぜ住人は死を選んだのか?
など、明かされない部分が多く、謎の男・ラグの回答も含めると、頭がこんがらがります。
中盤に差し掛かると、ひとつの仮定から真相に行き着くようになりますが、そこに至るまでにやや気力を削られました。
もっとも楽しめたポイントは、主人公の一夜と住人たちの関係性でした。
”ただ好きだから”というものでなく、責任やしがらみ、執着など甘さだけではない部分もあり、終盤の展開には一気に引き込まれていました。
特に胸に残ったのは藤堂とラグルートです。
(藤堂は公式サイトの人気投票で個人・ペア部門優勝ということで、帰還後の後日談ゲームが配布されています)
物語の進行はゆっくりで、頭を使う部分が多いのですが、それも楽しめる!という方にはおすすめできる作品です。