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稀有な作品だ。
通常この手のゲームでは、物語や、誰々と仲良くなるということに主眼が置かれることが多い。
しかし、それで性欲は満たされるだろうか?
ここには、物語や展開ではなく、様々な下世話なシチュエーションの連続に遭遇するということへの執着が感じられる。
もちろん、物語はあるのだが、作品における着眼点や重要度が、たとえばパンチラを見るだとかいった、きわめて原始的で単純なシチュエーションに遭遇したいという欲求にあると思えるのだ。

私自身、この手のゲームに深い物語を求ていない。
むしろ現実で遭遇しえない様々なシチュエーションの連続体(特定のヒロインすらいなくても良い)にこそ出会いたいと思っている。
これまで、そういう欲求への受け皿は、イラスト集という形での提供がほとんどであった。
しかし、この作品は、ゲームでありながら、「シチュエーションの収集」という骨格を持ち得ている。

ゲームという形式でありながら、物語や攻略というものから遠ざかり、シチュエーションの連続体へと、越境する。
ゆえに稀有な作品なのである。