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「僕は管理・管理・管理されている」 へのレビュー

相手の”心変わり”に恐怖する、人間心理を描いた一冊。

2017年01月28日   一陣の光 さん

このレビューは参考になった x 2人

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どこまでもどこまでも”耐え忍ぶ”主人公君に、尊敬の念を
抱く”紅唯まと”先生の、七話構成の「僕は~」シリーズと、
時間軸のみ異なった、同一世界観の短篇二本が収められた
作品集。
印象的な収録作品は、いつも”出させない方法”ばかり考え
ていたので、主人公君が、どんな方法で”満足してくれる”
のか、が、分からなくなってしまった先輩さん・・・・を
描いた「僕は先輩会長先生に管理されたらしい」。主人公
君の”すべて”を独占したい先輩さんは、彼を”管理下”に置
いて、先輩さんがコントロールしようとしますが、彼女に
は手の及ばない(およばない)、モノが存在しているコトに
気付かされる、作品でした。
読んでいて印象的だったのは、相手の”心変わり”に恐怖し、
それが起きない様に、管理下に置こうとする人間心理。性
別に関係なく、相手の心変わりに脅える(おびえる)キモチ
は存在しているのですが、それを真正面から表現している
と思いました。そして、誠実な彼の態度から恐怖心を克服
(こくふく)してゆく先輩さんを描きあげていました。人間
心理の”ヒダ”を、丁寧に表現した、”紅唯まと”先生の一冊。

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