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周りの言う事を受け入れた結果、生来の性格とは
異なる人格になってしまった娘や、逆に、生来の
淫乱な本質をひた隠し、別人格を演じる娘などの、
『ひと癖』持ったヒロインを描く”赤城あさひと”
先生、二話構成の二本と、本巻・描き下ろし一本
を含む、短篇八本が収録された、自身二冊目の作
品集。
印象に残る収録作品は、主人公”佐藤”君、無上の
喜びは、官能小説の世界に浸ること。直接、会話
とか、したことは無いものの、クラスメート女子
”三崎志緒莉”も、同じ趣味、だと知って・・・な
短篇「少年の妄欲」。二人して、欲望と妄想の狭
間に至る、お話でした。
読んでいて感じたのは、人には知られたくない癖
や性向を隠し持つことで、それを拠り所としてい
る登場人物の姿。男・女キャラクターへ、厚みと
存在感を加えることに貢献している、という感想
を持ちました。
人間の二面性を繊細にあぶり出す、業の深い一冊。