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過酷な境遇でさえも受けて立ち、望みをつないで
いこうとするヒロインを、繊細なキャラクターデ
ザインをもって描く”ドバト”先生、それぞれ独立
した三話構成の表題作と、短篇四本を収めた、自
身四年ぶり、五冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、食うに事欠く、爪に火
暮らしの”礼”を恋人に持つ”みのり”。つらい思い
をした初体験を乗り越え、”礼”との繋がりを大切
にしてゆこうと考える”みのり”・・・・な、短篇
「今日のおセックス」。常に前向きなヒロインが
記憶に残る、お話でした。
読んでいて感じたのは、現実を直視し、その環境
の中で希望をもって進んでゆこうとする登場人物
を、力強く描きあげている点。シンプルな絵柄か
ら送られてくる、”ドバト”先生の伝えたい事柄が
真っ直ぐに読者へと運ばれているのを実感しまし
た。
骨太なメッセージを華奢なカラダに収めた、一冊。