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「賢者ラヴィニアの手記~旧オーク砦にて発掘された遺稿~」 的鑒賞
2017年05月04日 色月 先生/女士
このレビューは参考になった x 2人
評論選擇的類別:
テキストはヒロインの視点だが、第三者的な書き方及び要所での編集者の注釈が入り、読み物特有の雰囲気は抜群である。客観視の文章とはいえ、時折書き込まれる当事者ならではの感情の爆発、弱音を吐くところなど、地の文とは違う行間の想像させる扇情さはしっかりと伝わってくる。 特に狂気に押し負けないために、現状を書き留め続ける姿勢は非常に生々しく、その縋るような独白は一見の価値がある。 エロ絵は、美しいはずの肉体がだらしなく淫らに描写される。 「魅力的なのに下品」または「下品なのに惹きつけられる」という、絶妙さはサークル様独自の味わいであろう。 ボテ腹や精液塗れなど、明らかな肉体の変化・汚辱が散見されるから当然と思われるかもしれないが、状況だけではないある種の迫力が込められている。 前作「コボルト」では、真正面から内面を描いた作品であったが、本作はアウトプットされた手記形式である。 物語骨子は同じながらも各々別の表現手法の挑戦であり、そのテキスト力の芸の広さも味わえるのが本作なのである。 ゆえに、ゲームであった既存作品とは違うCGノベルスではあっても、遜色はなく高いクオリティであることは保証できる。
(* 為必填項目)