舉報鑒賞

女性視点で売春という行為を覗くと、こんなにも心に堪えるものだったとは想像以上でした。自分を物と思い込むことで湧きあがる感情を押さえつけ、日々の暮らしを守る。突き付けられた現実に目を背けず、懸命に生きようとする少女の姿がありのままに描かれていました。
売春婦としての生活とその中で芽生えた出会いと感情、そして父の事故死の真相。物語は急展開を迎え、そして・・・。
RPGというくくりですが、読み物としてもしっかりまとめられていて夢中になれました。物語の締めも、きれいにまとめれれており、清々しさを感じました。勧善懲悪ではない部分についてはほんの少し引っかかる部分はありますが、そこは姉妹の話とは別のところで語られるのでしょう。
話としてひとつ心残りは、一本道の為に妹の毒牙にかける道を回避できない、ということでしょうか。作中で借金の額を明示されていないので、ダンジョンで稼いで返すことができない事が、少し残念でした。