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ウタカタさんの前2作が良作だったのと、今作はかわしまりのさんが出演されているということで、発売日にすぐ購入いたしました。
今更かわしまりのさんに関して多くの説明は必要ないと思いますが、商業作品に多数出演されている人気声優さんです。その方がバイノーラル録音の同人音声に起用されたということからも、スタッフの方々のこの作品に対する気概が伝わってきます。
さて、今作のヒロインとなる楓さんは、前2作の菖蒲さんとは対照的で、余裕のある大人びた女性です。こうした書き方をすると、妖艶さを全面に押し出すようなキャラクター性を想像されるかもしれませんが、そうした印象はなく、穏やかさに溢れています。コンセプトとなる「癒し」に則したキャラクター作りがされているということでしょう。こうしたキャラクター性がかわしまりのさんの声と相まって、質の高い「癒し」を提供してくれます。
また、このサークルさんは、以前から熱のこもった環境音が売りのように見えました。今作は季節が秋ということで、夕方に鳴くカラスや、鈴虫の鳴き声、小川のせせらぎなど、どれもリアルに鳴り響きます。こうした環境音の中で、ヒロインと共に紅葉狩りや月見といった季節感のある行為を行うこととなるので、実に情緒ある音空間が形成されています。
全体的に音質もクリアーで、自分の勘違いかもしれませんが、以前より声の近さが増したような感覚もあり、また、900円という価格で70分という収録時間も、特にかわしまりのさんが出演されていることを考えると、かなりの満足感が得らるのではないでしょうか。
どの側面から見ても丁寧な作りがなされていて、体験版を聞いて気になった方には間違いがない作品だと思います。