استعراض التقرير

ウタカタさんの新作で、新キャラクターの和椛さんがヒロインとなります。これまでに登場したヒロイン達もそれぞれ個性的ではありましたが、おそらく一番キャラの濃いヒロインだと思います。
最初のトラックなどは、客である聞き手を不審者扱いして、警戒していますし、包丁は上手く扱えないとのことですし、おそらくあえてそういったテキストに仕上げていらっしゃるのだと思いますが、言葉づかいが稚拙で、尊敬語と謙譲語を間違えていたりもします。
一般的に呼ぶ「ドジっ娘」属性のヒロインですね。

ただそうしたキャラクター性のヒロインでも、陳腐な印象を受けたり、不快な気分にならないのがとてもよかったと思います。
これまで他のヒロインが精いっぱい聞き手をもてなしてくれたように、和椛さんも彼女のできる範囲で必死にもてなそうとしてくれるのがとても好印象でした。
また、このサークルさんは以前より商業作品でご活躍されている声優さんを起用されていらっしゃいましたが、今作においても商業作品に出演されている御子柴こよりさんが声を当てていらっしゃるので、確か手腕によりヒロインの魅力が引き立っています。

効果音やバイノーラルの臨場感といった、同人音声らしい点に目を向けると、天ぷらをあげるという珍しいシチュエーションが目につきました。なかなか面白い試みですが、リアルな音だったと思います。
また、御子柴さんはツイッターでバイノーラルは初めてとおっしゃっていましたが、十分な臨場感が感じられる点もよかったです。

新キャラクターが登場する作品ですが、丁寧な作りはいつも通りでサークルさんや御子柴さんのファンはもちろん、そうでない方にもおすすめです。