舉報鑒賞

歩サラさんの作品ということで、発売後すぐ購入しました。
美術部の後輩であるヒロインと付き合い始め、1週間経ったところで彼女の家に招待された一幕を描いた作品です。

作品の説明文に既にありますが、「美術部に入部するも、馴染めなかったヒロインに聞き手が声をかけ、そこから2年を経てヒロインから告白された」という設定が1章で説明されています。説明くさい感じもあまりないので、すんなりと物語に没入できると思います。
会話シーンは2年という月日がこれまでにあるので、とても緩く、取り留のない雰囲気で進行していくのですが、それがとても心地よく感じられました。

ヒロインは、後輩キャラらしく敬語は使いますが、他人行儀な感じは全くありません。「好き」と何度も口に出してくれることもあり、好意を持ってくれているという充足感が得られて嬉しいです。
また、少女漫画が好きという設定もあり、乙女チックな部分が強く、聞き手との関係を進めたい気持ちもある一方で、気恥しさも持ち合わせおり、段階を一つ一つ踏んでいきたいという、初々しさがとても魅力的でした。
演じられているのはプロの声優さんである歩サラさん。演技や声質といった点は当然素晴らしいものでしたが、それだけでなく、昨今は同人音声にも出演されている機会も増えている方なので、バイノーラルの臨場感も上手く出ていたと思います。

新規のサークルさんですが、テキストだけでなく、音質もクリアでよかったと思いますし、効果音もリアルでした、また、おまけとしてフリートークも収録されており、緩い雰囲気の本編を遥かに凌駕するぐだぐだ感がとても笑えました。
要望として、もう少し収録時間が欲しいかなとは思いますが、総じて素晴らしい作品だったと思います。