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「雨宿リ」 へのレビュー

オススメ! エロティック・ホラーの秀作

2016年07月16日   DL名無しさん さん

このレビューは参考になった x 2人

「淫魔ノ館」の続編となる本作。登場人物や舞台を前作と共有しながらも、触手系クリーチャーが次々襲い掛かる「淫魔ノ館」とは違って、梅雨時の澱んだ空気のもとにゆっくりとストーリーが進行していく流れにジャパニーズ・ホラーの影響が濃く感じられる。絵柄も線の綺麗さと塗りの繊細さが増していて、前作とはジャンルが違うと言っても良さそうだ。
 テキスト配置や明暗のコントロール、ここぞというタイミングで挿入されるイラストなど、映画的・漫画的な「見せ方」が工夫されていて、アニメーションを使わないエロティックホラーCGノベルという枠の中で高い完成度に仕上がっている。冒頭部、1ページ目からいきなり最初のクライマックスに引き込まれる手法など、単にエロイラストとエロ小説を見たいという目的の何倍も楽しめた。

 文章に関して、ヒロインの一人称視点で語られる性調教・快楽堕ちの描写が格段に緻密で肉感的になったほか、特筆すべきはシーン構成で、ヒロインと女友達が学校の内外で何度も絡み合うエピソードや、繰り返し見る淫夢(ここでは前作の魔物達に犯される)を組み合わせてストーリーを引っ張る方法が非常によくできている。リョナ・ヒロピン要素の強いCGノベルは「シチュエーション集」のような構成になりがちで、本作もシーンごとの内容だけ見ればその通りなのだが、シチュエーション間に文章を挟んでシーンを分割するのではなく、夢と現実を交互に配置することによって、シーン間の繋ぎ目が曖昧になる部分がありつつもそれが逆に自然な展開を実現している。このあたり、小説としての面白さと没入感が両立していて、ストーリーテリングの妙を感じさせた。

 1ページ目からラストまで各種のエロシーンが長雨のように続き、実用性も高く、とにかくタイトル通り「雨」のイメージで作品全体を統一した雰囲気作りが素晴らしいので、是非色々な人に見て欲しいと思う。

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