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ちょっと前に七巻の感想を書いて「続き待ってます」なんて書いたばかりなのにいきなり八巻が出るとは。しかも、九巻と同時発売だって?マジかマジだやったぜ。

ちょうど七巻まで読み直したところだったのですんなりと読めました。七巻で期待していた睦月くん女体化展開は……エロかった。ああ、確かにエロかった……が、もうちょっとこう描写が増やして欲しかったなあ。ああ、もうちょっと男に犯されることへの抵抗感、快楽に溺れる描写があれば最高だったんだけどなあ。いや、まあ、TSはメジャー性癖じゃないから仕方ないですね、ハイ。

そして七巻のもう一つの見どころ〇こと原宮小石と言う少女。彼女が誰なのか読者にも薄々わかるようになっていて、それが一層焦燥感を煽る描写が良かったように思います。こんなことをされて、彼女の内面はどうなのか。あえて描かないからこそのエロス、良いですね。これだけでもうちょっと色々なシチュエーションで読みたかったぐらい。睦月くんのTS部分も含めて、頁数の制限なのかどうにも食い足りない感じがすごい。足りないくらいがちょうどいい、のかもしれないけど、どこかでこの期間を描写した短編とか書いてくれたら絶対買います。

内容に全然触れてなかったけど、小石を調教する芝木が個人的にすごく良かったと思います。薄汚い悪人で、空虚で、どうしようもない苦しみを抱えている。平凡な絶望を抱えた彼がいたからこそ、終盤で行われた睦月の決断に一定の説得力が生まれたと思います。彼のような人間を救うためには、確かに睦月の選択は間違いではなかった。多くは過ちではあっただろうけど、すべてが間違いではなかった。そういう描写であったと自分は思います。