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「セクサロイド(4)」 的鑒賞
2018年07月26日 穂積 先生/女士
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最終巻なので勘付くとは思いますが、本シリーズはこれにて大団円を迎えます。 同作者様らしいと言えばいいのか、本シリーズらしいと言えばいいのか、むちゃくちゃ壮大な逼迫感を盛り立てて最終話に臨むのではなく、むしろ実家のような安心感のある定番のパターンで話を作り、「え?終わりなの?」と驚きを受ける結末です。 いえ、ちょっといつもと違うなぁと言う感覚は受けていたものの、2巻(BJ041087)のレビューでも書いたようにお約束の雛形かと思わせて外してくるのが凄まじく上手いので、すっかり出し抜かれてしまいました。 しかし、だからと言って拍子抜けとか期待外れではありません。 小難しく思えるSFをセクシーで和ませ、国家間のスパイ合戦でシリアスに引き戻し、それでいて人生訓が織り込まれた深く考えさせられる傑作でした。 ちなみに蛇足を承知で書くと、本シリーズは一冊分の4分の3くらいで幕を閉じます。 じゃあ、残る4分の1は何かと言うと、全く関係ないSF短編が2話収録されています。 一つは「アリババと40人の盗賊」をベースにした立身出世譚です。 そして、もう一つは「「大海賊ハーロック」です。 同作者様の代名詞と言っても過言ではない、あのキャプテン・ハーロックとは少々一線を画す一方で、通ずる部分もあり、悲しくも熱いストーリーに読み応えがありました。
(* 為必填項目)