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「セントールの悩み(17)【電子限定特典ペーパー付き】」 へのレビュー

オススメ! すげぇ雑多、のようでいて伏線多数

2018年09月15日   穂積 さん

このレビューは参考になった x 0人

本シリーズは元来、世界各地ひいては地球規模にスポットが当たっていて、一冊の単子本の中で日本の学校生活から南極の生態まで話が飛ぶことはよくあります。
しかし、それでも同じ主題に2,3話割き、ある程度の決着を付けてから次の主題に移るのが通例ではありました。
もっとも、雑誌では3話同時掲載「合計100ページ」なんて荒業をやってのける超速筆の作者様だからこそ成せる技法でもあります。
ところが、この巻ではことごとく連続性がありません。
いえ、広い目で見れば、前々話でのあの発言がここに繋がっているんだなと読み取れる部分がある一方で、新たにシリーズ内シリーズを形成するほどの完全な地続きは無いと言えます。
言い換えれば、既存する流れの続編が各所に散りばめられている、長編ならではの遊びが存分に発揮されている形です。
例えば、以前から度々存在感を出しつつあった「菌糸類」これが多くの話数でメインの座を飾っています。
今までは得体の知れない不気味だった彼らがある意味で親しみやすく、哀れみすら感じられる親近感を段階的に演出しています。
また、学生生活では頭角を現す後輩女子にスポットが当たり、赤裸々な視点でそれぞれの個性が見られ、相変わらずの心理描写の上手さに感心すると同時に、男性読者に嬉しいサービスも披露してくれました。

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