舉報鑒賞

兄弟ものというと、設定を活かし切れていない中途半端なものも多い気がしますが、こちらは存分にお兄ちゃん感を発揮したままことに及んでくれるので、大変、大変すばらしかったです。

序盤の、無邪気な妹の行動に一人もんもんする、明るく優しい妹想いのお兄ちゃんと、中盤からのリミッターが壊れちゃった後のお兄ちゃんとのギャップがたまりませんでした。

妹を心配するあまり、怒りを抑えきれないお兄ちゃん。
同級生とそういう関係になりそうになって、怖くなって逃げ帰ってきて、布団にくるまり泣いている妹を、最初は優しく優しく労わって事情を聞き出そうとしますが、内容が明らかになるにつれ心配はどす黒い嫉妬と怒りにとって代わり、ついには激高して怒鳴りつけてしまいます。通常ならここですぐに謝るところですが、怒り心頭のお兄ちゃんにはそんな余裕はありません。
怒りが滲んだ声音のまま、なんとか宥めすかしてどこまでされたのか確認します。
そして、誰かにけがされてしまう前に……王道の監禁ルートです。

素晴らしいのは行為の最中に、お兄ちゃん風を存分に吹かせているところ。
お兄ちゃんの言うこと聞けるだろう? お兄ちゃんの○○、～してくれよ、など、楽しそうですね、お兄ちゃん。
その割に、最後に妹ちゃんもお兄ちゃんのことが好きだと伝えた時の、そんなはずない!というヘタレっぷり。いったいどうしたいんですか、お兄ちゃん。

大切で大好きで、愛しい妹を相手にしているにしては、割と容赦のないお兄ちゃんです。
無理やり致して、しかも初回におもらしさせちゃうとか。
好かれたいんだか嫌われたいんだかわからないですが、そういうちぐはぐなところが、豹変した彼の危うさというか、さりげない狂気を感じさせて大変素敵でした。