舉報鑒賞

金魚の赤い尾が覗くイラストと、サンプルの幻想的な雰囲気に惹かれ、これは買うしかないと思い立ちました。
長めの寝息トラックが入っている事や、時折聞こえる泡の音からして、性描写よりも癒しや睡眠導入効果で重宝しそうな作品です。

あおいさんは病に倒れ、生まれ変わったと思ったら金魚になって捨てられ、神様彼が何をしたっていうんですか! と言いたくなるくらい悲惨な過去を経て、ようやくヒロインの元へ辿り着きます。
彼女は窓越しに病床の彼を想い、金魚になってからは正体が彼だと知らないままその命を救い、大切に扱ってくれました。
こんなに優しくされれば、惹かれない方がおかしいですよね。
彼女を夢に招いてHするまでの展開は早いですが、上記のようなしっかりした背景があるので唐突には感じませんでした。

とにかく雰囲気が良かったので全体的には高評価ですが、強いて残念に感じた点を挙げるなら、総ボリュームがちょっと物足りない事と、常に音が響く演出になっていて、マイクに息が吹きかかる音までよく聴こえてしまう事でしょうか。
一言も漏らさず聴きたくなるのは山々ですが、ボリュームを上げすぎないでおく事が、美しい世界観に浸り続けるコツかもしれません。

あと個人的に、淫語は使わないでいてくれた方が良かったかなと。
あおいさんは別にボケたつもりはないのでしょうが、あの耽美な世界観の中、唐突に繰り出される「お〇んこ」には思わずふき出してしまいました。
そんな所もお茶目な一面として、魅力的に思わなくもないんですけどね。

これまで方言を使うキャラがメインの作品を聴く事は殆どなかったのですが、今作にはこの声しかありえない! と思うほど、あおいさんのはんなりした言葉遣いが、得も言われぬ雰囲気を醸し出すのに一役買っていますね。
彼の幽かな囁きを聴きながら、いつまでもこの甘い夢に溺れていたい……そう思わされる作品でした。