舉報鑒賞

タイトル通りヒロインに一途過ぎて、童貞を拗らせてしまった可愛い男の子がお相手です。
水族館デートの初々しさと舞い上がり様にほのぼのさせられますが、要所要所でストーカーだと実感させられる台詞が挟まれるので、呑気に萌えてばかりもいられませんね。

ヒロインの記憶が曖昧なのを良い事に、しれっと自宅の場所を教えて貰った事にしたり、部屋の中に見慣れない物があるとすぐに気づくくらい、彼女の私物を完璧に把握していたり。
それが恋敵の大地先輩から贈られたものだと知った時の反応といったら……。
緩急がしっかりしているので、一気に聴いてもだれる事は全くありませんでしたが、おかげで残暑が厳しい季節にも関わらず、背筋を凍らされました。
毎年彼女を悩ませてきた不審なバースデーカードもどう考えても……なのに、白状する気がまるでなさそうですし、ヤンデレの素養が窺えますね。

ついさっきまで童貞だったのに、ヒロインを気持ちよくさせたいと入念に予習してきたせいか、いざ事に及ぶとわざと彼女にいやらしい事を言わせようとしたり、焦らしてみたりと、結構ノリノリになるところもツボでした。
好きな子に意地悪したくなる系の男子が好きな方には、堪らないキャラなのではないでしょうか。
後輩じゃなく異性として意識して欲しいとアピールする、年下男子の醍醐味と言えるシーンもしっかり入っていて隙がないです。

今作では片鱗を覗かせるに留まった晴希君のヤバみが全開になる「優しすぎた人」もお勧めしたいところですが、あちらは「知らない方が幸せだった」と思うような真実が明かされるので、自分がいける口かどうか、サンプル等で慎重に判断する必要があると思われます。
ヒロインを幸せなままでいさせてあげたいのであれば、あえて聴かないのも選択肢としてありですが、できる事なら大地先輩も是非選んであげて欲しいですね。