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「かつて王子様だったもの 今では閉鎖病棟に篭った無職前科持ち薬漬けの三十歳-中瀬佑樹-」 へのレビュー

オススメ! 佑樹くんと椿くん

2017年11月04日   31 さん

このレビューは参考になった x 9人

とにもかくにも素敵な作品でした。

佑樹くんとしての中瀬くん、椿くんとしての中瀬くん。どちらの人格も存在していたからこそ、中瀬くんは中瀬くんでいられたのだろうなと。保護室で結ばれ、中瀬くんが名前を呼んでとねだったときに "佑樹" "椿" どちらの名前もでてきたことがなんだかとても嬉しくて。そしてどちらの人格も否定することなく、どちらをも受け入れ、受けとめたヒロインの愛がとても優しくてあたたかくて素敵でした。一夜愛さんの演じ分けも素晴らしく、最後のトラックでの佑樹くんと椿くんのやりとりはとてもよかったです。
中瀬くんはヒロインに連れて行く先が天国じゃなくてごめんと謝りましたが、たとえ行き先が地獄だとしても中瀬くんとヒロインは幸せでいられるだろうなと思いました。踏み込むのが怖くてきけなかったのはもうおしまい、今度はお互いのことをもっと話して、もっと聴いて、たくさん知って。患者とナースという関係から、愛しあう関係になって。そんな中瀬くんとヒロインの道の続きなのだから、行き着いた先が天国でも地獄でも、それはただの場所としての呼称でしかないのだろうなとか、聴き終えた後にもふといろいろ考えてしまうような、とても深く素敵な恋でした。

また、紅差しさんの作品に流れるクラシック曲の選曲がとても好きなのですが、今回もラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」ととても素敵な選曲でよかったです。好きな曲という設定や、ヒロインとピアノで弾くシーンもあってストーリーへの絡め方もとても素晴らしいものでした。

とても語りきれないくらい、本当に素敵な作品をありがとうございました。気になった方は是非聴いてみてください‥!

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