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本作品へのレビューやysd.さんご本人のコメントなどは拝見していましたが、内容的にちょっと厳しいかも…と思ってました。でも以前(ホストの作品で)の経験もあるので、今になって購入しました。
(フィストプレイのあるトラックは聴いていません。有る無しを分けて下さって本当にありがとうございます)
冒頭、重々しく扉が開く音から始まります。親に借金のカタとして売られ、不安を煽られたと思しき｢調教師｣との出会い。次から次へと覚え込まされる嗜虐的な行為の合間、ほんの少しの優しさと、気持ちの繋がりを与えられたかと感じたのちに迎える、同じ音の響くバッドエンド。思わせぶりな言葉はかけられるも、飽く迄、売られたモノとして｢納品｣される結末。それは絶望の扉が開いた音なのか、ヒロインの心が鎖される象徴か。とても印象深いものでした。一方、グッドエンドでは、示された「調教師としての情」が真実の彼の思いであったとわかります。事の全てを擁してヒロインを自分のものとし、将来を約束してくれます。グッドエンドが良かったと思いつつ『箱詰め』が所謂「性癖」なのでその部分だけはバッドに魅かれました(笑)
Sacrificeさんの作品は(私が聴いたものに関してですが)ヒロインと男性キャラの関係性がきちんと描かれているので、感情移入して聴けるところがとても好きです。今回は特に、策を弄してヒロインをここまで堕とした(=自分のものにした)藍原鷹久というキャラが最高でした。調教の段階が進むにつれて冷静さを薄れさせ、没頭して興奮を露わにしていく様はとても迫力がある反面、グッドエンドの終盤で心情を零すシーンは重く静やかな語り口で。シナリオとysd.さんの演技も相俟って、ヒロインを長年に渡り想い続けた男の内面をより深く表していると感じました。そんな、調教の時と独白の時の差異が凄く良かったので…その辺りをぜひ聴き比べて頂きたいです。