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对「入れ替わりペンとあの子と私」 的赏析

太った女の子をバカにしてコンプレックスをえぐる

2017年10月03日   穂積 先生/女士

このレビューは参考になった x 10人

[作品内容]にもしっかり書いてありますが、ハッピーエンドとは言い難いです。
2ページ目に入れ替わりペンの使用方法が明確に提示してあるので、何事が起きたのかわかり易くなっています。
というのも、容姿丸ごと総取っ換えになってしまうので、外見的にはどっちがどっちなのか判別がつきにくく、ストーリーの流れとモノローグ台詞で加害者少女と被害者少女を区別するしかありません。
上記の取扱説明書がある事によって、そのストーリーの理解が補強されているわけです。

簡潔に言うなら「女の妬みって恐ろしい」に尽きます。
クラスで群を抜く美人としてチヤホヤされていた人気者を妬んだ主人公が自分の容姿、くせっ毛・そばかす・肥満などのバッドステータスを押し付け、逆に美貌を手に入れる所までは出来心として頷けます。
しかし、本作の真価はその先にあります。
入れ替わるのは容姿にとどまらず、周囲の認識もついでと言わんばかりに付属するのです。
つまり、太っていた主人公は始めから美人だったと、人気者は始めからデブだったと書き換えられるのです。

旧人気者少女は服のサイズが合わないことに戸惑い、いつも持久走では上位を走っていた気がするのに満足に走れない身体の重さに戸惑い、友人関係が皆無な孤独感に戸惑うのです。
それを傍から見ている主人公少女は内心で痛快に笑う陰湿さが目立ちます。
一方で、さらに俯瞰で見ている本作は肥満コンプレックスを的確かつ丁寧にえぐり、太った女の子をいじめたい人にとってドストライクな内容となっています。

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