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このシリーズは少々変わったコンセプトの音声でして、主人公(貴方)は常にヒロインと電話で話している体で話が進みますね。
また各トラックの分け方も『その日の夜』という形を取っていますので、
話題も昼間の出来事に関するものや、「ごめん、夜遅くに電話して大丈夫?」などのやり取りが多いです。

以下三作通しての内容のレビューとなりますが、
正直に申し上げますと、これは単なる二次元イメージに留まらず、相手の姿を三次元で想像しても相当ハマると思いました。
とにかく『電話越しのやり取り』というものにリアリティがあり、加えて青春ポイントの高い会話が多いので、
何と言いますか……こう、胸にグッと来るものがあるんですよ。
本当に聴いててときめきます。
ヒロインである黒崎愛ちゃんのキャラクター、及びcvのはやかわあいさんの演技も素晴らしいの一言に尽きますね。

そして一作目と二作目では、内気でネガティブな傾向が強いヒロインに(タイトル通りベタ惚れで)慕われたり、
ちょっと気まずい雰囲気になれどもすぐさまべらぼうに愛おしくなったりする内容がメインです。
ですがそこまで聴いた時点で自分はふと、とある疑問と不安を抱くようになりました。
三作目のフリートークを聴く限り、それはどうやらcvを務めたはやかわさんも同じだった様子ですね。
しかし三作目の内容では、正にその疑問や不安に対する答が示されており、構成の上手さに思わず鳥肌が立ちました。
ヒロインの可愛さや愛おしさを前面に押し出しつつも、一方でしっかりと欠点も描いていて、それを鑑賞者に感じさせる。
そして本編完結となる三作目で見事に解答を示し、感動の最終回に持って行く流れは涙が出ます。

極めて高い青春値とときめき要素を持ち、それでいて人の成長も感じさせるドラマ性も秘めた傑作――。
これはオススメ致します。是非とも三作纏めて聴いてみて下さい。