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パンツを見たので買いました。

1998 年から 2009 年までの足掛け 12 年にわたって作者のサイトで書かれたコラムのイラスト部分を集めたものです。
10 年ひと昔と言いますが、このレビューを書いている 2017 年の時点で 1998 年は約 20 年前、ふた昔近く前のことになります。収録分最後のコラムも 8 年前のものです。もうだいぶ遠くなってしまいました。
誰であろうと、そんな黄昏の彼方に過ぎ去りし日々のことを今からリアルタイムに描くなんてできないのだから、これらのイラストコラムは貴重です。

肝心のイラストは今 90 年代のものを見ても古さは全く感じません。すっきりしたイラストは見ていて疲れないし、飽きません。何より可愛らしい。
2003 年後半からはレギュラー登場人物も現れ、芸風も安定してきます。よく扱われるトピックは花粉症、猫など。花粉症は毎年の恒例といった感じですが、作者の元を訪れる猫の方はこれだけの期間ともなると代替わりしていきます。一見変わらないようでもしっかりと時間は流れていくのですね。
また、イラストに描かれた CRT のモニタに、携帯電話に、HDD の容量にも時代の流れを感じることができます。
イラストにはカオスなものも多いのですが、理解不能な類のものではなく、見ていて楽しくなるものばかり。

めぐる季節のなかで変わっていくもの、変わらないもの、みんな纏めて 12 年分。90 年代終盤から 2000 年代を懐かしむことができる人、猫好きにおすすめ。もちろん可愛い(カオスな)イラストが好きな人にも。