舉報鑒賞

ホラー番組を見た後一人でいるのが怖いから、という瑠璃子ちゃんの台詞が子供のころそうだったなあ、と相槌を打ちたくなる。
ありきたりなシチュエーションを丁寧にかつ明快な表現で、情感と具体性をもってしかも簡潔に描写されているのが凄いと思う。

耳かきパートもされる側のお兄さんが膝枕に頭をのせる時の童貞力の高さと一切迷いない瑠璃子ちゃんの寄せる信頼の高さがいいです。
ただ、耳かき時の音が…。耳孔を耳かきする音自体はゴソパリのバランスと音の大きさが好みに合ってたんですが、耳かきをティッシュで拭う音?が乾いて軋むようで個人的には生理的にダメでした。それ以外は梵天も息の吹き込みも、語りかけも良かったです。

ハンドマッサージで面白かったのが、瑠璃子ちゃんの使っている、香り付きのハンドクリームが可愛いなあと。というかハンドケア自体もともと関心が薄いのに、それをクリームを温める段階から丁寧にしているんです。最初は「そこまでするの?」と感じたけど実際にされているのを想像すると、いたわりや愛情が伝わってきます。

添い寝パートではホロリとしました。
人が成長していくことは喜ぶべきことだけど、それが昔から知っている人が知らない部分が増えていくのはさみしい。でも、お互いに手を伸ばしあってつなごうとするかぎり、互いの言葉に耳を傾ける限り離れたりはしないんだよって、健気な瑠璃子ちゃんに語り掛けたく思いました。

そんな野暮なことしなくたってこのお兄さんはちゃんと受け止めて答えられる人なのですが。
全体的に、瑠璃子ちゃんの主導ですが兄妹の固い絆も描かれていると感じました。