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濃密で充実した内容、そういった作品は当然素晴らしいものです。ですが本作品はその逆を行くような、特に何か内容が濃いわけでもなく、何か明確に伝えたいというメッセージ性があるわけでもありません。
｢何も無い｣という要素が魅力となっているのです。集中して聴かなければいけない、そんな肩肘張った感は一切無く、聴きたい時に適当に聴いて、中断したくなったらいつでも中断して。そのくらい気軽に聴いても良い、寧ろそのくらい気軽に聴くべき作品なのではないでしょうか。

内容はCV担当である柚木桃香さんの実体験をそのまま話すというものです。これが大層なお話、というわけでなく、本当に日常会話の延長のようなもので、放課後の少し気怠い雰囲気で交わされる何気無い会話を存分に体感出来ます。空気感が素晴らしく、聴いていて1ミリたりとも邪魔に感じられないのが凄いです。作業をしながら、BGMとして、ボーッとしている時に…そんな使い方にとても適してます。

集中して世界観に没入し、聴き終えた後に余韻に浸る…そういった作品も当然良いのですが、たまには何も考えずにただただ聴き流すだけ。そんな作品もまたひとつの魅力があると思います。
それがこの超低価格の値段設定に非常にマッチしているんです。100円ならこういう内容も全然アリ、と思えるんですよね。
ずっと聴いていると、やがては本当にこんな安くて良いのか、となってしまうかもしれませんよ?