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「看取られ音声」 へのレビュー
2019年07月10日 hito_horobe さん
このレビューは参考になった x 42人
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死は生前に体験することができず、また選ぶこともできませんが、この作品では4つのシチュエーションで充足感に満ちた死を疑似体験できます この作品がもたらす"死の疑似体験"には、相反する2つの特徴があると考えています。 ひとつは受容。今わの際に誰かがその死に関心を払うことで人生が決して無意味でなかったと気づかせ、逆説的に人生を肯定します。肯定であれ嘲笑であれ死に関心を持ってくれる存在というものは社会や人間関係の実在を証明するものであり、作品を通して現実にそれをわずかでも見出すことができれば、十分な肯定になりえます。 そしてもうひとつは、死によって辛く苦しい現実から脱して救済される逃避です。 現実世界においては、生きる限り未完成でどうしようもない人生というものに翻弄され、未来の不安に向き合うことが強要されますが、その2つから解放するのには人生を終わらせ、かつそうして完成した人生に価値を見出すことが最も普遍性のある解決策であり、それを前述の受容と逃避によって満たすので、究極の救済と言えるでしょう。 そして視聴後に続く現実の人生において、いままでの人生を脱し、死をメタ的に認識することによって解放感を得られることもまた、究極の救済であると感じます。 混迷を極め不確かさが増す現代社会において、人の繋がりや生の実感が希薄になっていくなかで、より過酷なものとなるであろう人生からの救済を誰もが求めています。人生の意味を再解釈させ、不安を癒してくれる。そんな希望を持てる作品だと思います。
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