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「さよなら、うつつ。 ~金で買える程度のハッピーデッドエンド追加版~」 へのレビュー

オススメ! 万人向けではないが好きな人にはたまらない一品

2016年02月09日   こた さん

このレビューは参考になった x 2人

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『さよなら、うつつ』は狂気や幻想、歪んだ美しさを讃えた唯一無二の救済の物語。
単体でも完成された面白さがあるのですが、そこにあえてぶち込まれた追加√を含む『完成版』です。
虚構と真実、妄想の楽園と無味乾燥な現実の両極端の物語。
追加√は特に哲学的なやりとりが多いというか、
本編に対する断罪を含んだ一種の実験めいた物語になります。
読み終えた感想としてはなかなか自分なりの答えが上手く出てこないお話でした。

フリー版を最初にプレイし、文章力の高さや心理描写、芯の通ったキャラクター性などに惹かれました。
キャラ絵は簡素ですが、丁寧な演出に好感が持てます。
BGMと物語の一体感も素晴らしい。

シナリオの長さも短すぎず長すぎず、
しかし500円ちょいという価格設定からすると
かなりコスパが良いと思います。
自分は作者さんへの投資の気持ちも込めて購入しました。

癖の強いお話ですし、おそらく苦手な人は苦手。
けれど猛烈に読ませる力のある物語です。
登場人物たちは非常に尖っていて、一筋縄ではいきません。
自己矛盾を抱えつつあがく主人公や水夜ははた迷惑でありつつもどうしてか目が離せない。
異様な姿をした怪人である羊おじさんは物語に唾を塗りたくるようなやりたい放題がひたすら面白く、
その正体については色々な見方のできる魅力的な存在。
沙希はしたたかで優しく、
物語の楔でもあり、二つの物語においても極めて因果な存在ではありますが、
何となくそのぬくもりを忘れがたくもう一度プレイし直したくなるのでした。

『ゆめ』の突き抜けた熱さが好きです。
『うつつ』の突き放された冷たさが好きです。

支離滅裂な感想ですが、とにかく好き。
羊おじさん倶楽部の次回作を期待しております。
『等間隔』もプレイ済みですがやはり立ち絵がある方が嬉しいです。

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