舉報鑒賞

身体能力もあり、勤勉で魔法も習得、美貌も兼ね備えているのにそれを鼻に掛けることはせずまた武器にもしない。人を疑う事をせずただただ誠実な美女、という絵にかいたような完璧な女主人公なのですが、逆にその完璧さが周囲の恨みを買い、誠実さを利用されて、全くもって手ひどい奴隷扱いを受けます。あまつさえ権力を盾に、すでにもう処女を散らされており、性交渉そのものにトラウマを背負う事になります。
己の心の悲鳴に目を瞑り、自分を殺し、ただただ誠実に、身寄りのない自分を拾ってもらった恩義があると、ゲスな領主に仕える姿は痛々しい……。

とまあ、そんな重い出だしから始まる物語ですが展開的には王道ファンタジーの純愛ものです。魔神受胎とかいうサブタイからはおぞましい異形に触手、リョナ、産卵だとか想像しがちですが、こちらのゲームにはそんなものは全くないのでご安心を、性経験に苦痛しか感じないという重いトラウマを持つ美女が、自分の欲望に向き合い、受容し、開花させていく様はアーネさんの体の美しさもあって、眩しすぎました。

ゲーム部分はオーソドックスなRPG、どこかで見たことがあるあのシステムです、そう、もう説明が必要ないくらいですねw

全編にわたって、そのテキストの文章力に驚かされます。物書きとしての活動を齧った人には経験があるでしょうが、この部分には、もはやこの表現方法しかないんじゃないか、という強い表現にぶつかることがあります、それが随所にちりばめられており、私のようなにわかが如何に力不足なのかを思い知らされました、精進します…ハイ。

「内なる情熱」シーンはすごくよかったですね、自信に溢れ逞しく、甲斐性のある男に抱かれるということはこんなにも幸福なことなのかと胸が締め付けられました。なんというか「濡れ」ますw

文字通り「奉仕」奉り仕えるということはこういうことなんだなぁ…。