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端的に言って、素晴らしい作品だったと思います。
毎作、商業作品においてもご活躍されている有名声優さんを起用されているサークルさんですが、今作はヒロインが二人いるということで、歩サラさんと奏雨さんの声が同時に聞ける、とても豪華な作品となっています。

うたかたの宿は、和の世界観と季節感を大事にされているシリーズで、今作は特に冬の作品のため、どこか侘しい、郷愁を感じさせる作りとなっていますが、そうした中でバイノーラルにより左右から聞こえる二人の声が華やかさを添えており、独特の世界観を形成しています。
また、二人の掛け合いによって、キャラの設定、二人の関係性などもより掘り下げられているので、これまでの作品でヒロインを好きになれた方は特に良い作品となっているのではないでしょうか。(無論、この作品から聞いても楽しめると思います。)
両耳同時の耳かきという、ありそうであまりないシチュエーションも二人のヒロインがいてこそですね。

以前よりバイノーラルの臨場感においてはかなり高いレベルにあったサークルさんでしたが、キャストの奏雨さんが今作で2作目ということで、その点がさらに向上したように感じられたことも特筆すべき点だと思います。
息の当たる音は、温度と柔らかさがあり、バイノーラル録音の同人音声ならではの魅力がぐっと増しているように思います。

シリーズのこれまでの良さを踏襲しつつ、ブラッシュアップが行われ、新しい試みも取り入れられている良作です。