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RPG制作指南と考えると章立てそのものは非常に基本的で、軽い読み物の体裁です。
かくあるべし、といった強い断定もありません。その実、この軽さユルさこそが本作の妙味です。
RPG制作に限らず、ものづくり全般において作者というのは
「行き当たりばったりで突き進む実践派」と「構想や設計を万全にしてから動き出す理論派」の
おおまか2タイプに分類されるように思います。
一見、理論派の方がうまく行きそうですが、ゲームでは大作志向の長期化からの頓挫を味わうことが多く、
案外と実践派のほうが完走すなわち作品の完成率は高かったりするものです。
それはなぜかといえば、ゲームは文章絵画音楽その他の入り混じる総合芸術であり、
事前の勘案など詮無き机上の空論。絶対に想定外の出来事が頻発するからです。
さてでは理論派の諸氏はどうするかという時、よすがとなるのが本作。
フリゲ作者として実績ある筆者が、実際に作品を作り出す際に
エクセルなど駆使して”きっちり”と事前の構想をする一方で、しかし全体的にはおおらかな”ユルさ”が漂わせます。
結局はやってみないとわからないんだから、ほどほどのところでふんわり作り出すのがよいのです。
だからユルくていいんだぜ、と言ってくれているような、風変わりな勇気のくれ方をする読み物です。
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