استعراض التقرير

今年の夏は実にハイレベルな音声作品が多いですね。
こちらもまた、冒頭から終始作品の世界観に入り浸れる名作と言って過言ではありません。
シナリオ、声優さんの演技、SEにイラストと全てにおいて完璧でした。

何となくですが思叫堂様の作る作品は、萌えやエロさを売りにするのではなく、
一つの物語としての完成度を追求されているように感じます。
シナリオに関しましても、初めから甘々ないちゃラブや幾許かのリョナ、寝取られ(に見える)要素を描こうとしたのではなく、
綺麗も汚いも織り交ぜた一つの物語を作って行き、最終的に完成した物の中に偶々それらの要素が入っていた――という印象ですね。
ぶっちゃけシナリオ重視の作品を御求めならば、確実に押さえておきたい逸品に仕上がっています。

物語の大概などは是非とも直接聴いて知って頂きたいので、この場には記載しません。
ただ、この作品には割と陰鬱でキツイ表現もあります。
主にヒロインの過去や現状にまつわるモノなのですが、暗い話が苦手な方は少し考えた方が良いかも知れませんね。
とは言え最後はBAD ENDではなく、むしろ途中で暗い部分がしっかりと描かれていた分、
その後の光がとても眩しく思える内容ですので、出来れば聴いて頂きたいところです。

陽向葵ゅかさんの演技が光るエロシーンの実用性は高いです。
しかし総合で見ると、該当シーンのボリュームが少なく、実用性のみを御求めならばコスパは悪いかと――。
ある夫・Aさんの方は、軽く引くぐらい演技がハマってました。
成人向け音声作品に手を出して以来、初めて男性声優さんに感動させられた程です。
男性の声(しかもチンピラ役)故に苦手な方もいらっしゃるかと思いますが、
こちらも正しく名演技ですので、興味があれば是非お耳に――。