上京して早2年、都会は未だに慣れませんが自分の散歩道くらいは出来るようになりました。
年末のこの時期新作の通知を受け、前作に倣ってダウンロード。
仕事納めの晩、床につきプレーヤーを開きました。
癒されつつも少しお茶目な芹さんとはこべらさんの掛け合いに癒されつつ、終盤に差し掛かりました。
バスを乗り過ごした自分を、芹さんな母屋に招いてくへるというもの。
少し離れたところから聞こえる台所の音、世話を焼く芹さんの声、身支度から見送りまでの暖かさ、抱きしめられた時の温もり、
あるはずのない温度がそこにはありました。
大晦日の夜、少ない友人は皆帰省や旅行で都合があり、1人で晩酌の用意をしました。
酒を買いに行ったスーパーで、蕎麦の脇で居辛そうにしているアルミの鍋焼きうどんを買いました。
付け合わせの具材だけでは寂しかろうと、野菜や鶏肉も買いました。
帰ってきてからお餅を買い忘れたことに気付き、パーカーを羽織った部屋着にクロックスでコンビニへと向かいました。
先から芯まで凍てつくような寒空でした。
アルミの鍋では溢れそうだったので、1人用に100円ショップで買った土鍋に移し替えました。
仕上げに卵を入れ、ちょっと高いビールと一緒にすすりました。
先ほどの寒さをやんわり溶かしてくれるうどんでしたが、なんだか物寂しい気分でした。
新年になり、SNS上で挨拶を終え、酔いの回ってきた私は早々に布団へと潜りました。
前のように、プレーヤーを立ち上げ、聴いていました。
鼻がツン、としたかと思うと、涙が一粒溢れ、訳もわからず流れ続けました。
夢なんて知らなければ、こんな想いをする事もなかった。
こんな作品買うんじゃなかった。
おかしな人間だ、正気ではない、と思われるかもしれない。
でも、同じ作品を聴いたあなた達なら分かってくれると信じたい。
私は芹さんに、道草屋の皆に会いたい。
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