主人公が母親と死別したのは、人の顔すら記憶できない幼いとき。10年前はよく父ときていた墓参りも、いまではお盆のそれでしか訪れなくなっていた。黒揚羽が大事な人のために姿を変えてやってくるという話は父の優しさからきたものだったのだろう、そう理解できるくらいには既に彼は大人になっていた
初めて彼女に会ったとき、抱くはずの恐怖心は存在しなかった
実家の和室、香る線香、風鈴の音、夏を感じさせる描写と怪しげな彼女の存在が郷愁を覚えさせます。妖艶な彼女の誘いは甘い蜜でした。たとえそれが毒入りであったとしても…
終始ダークな雰囲気は存在しますが、それが見事にエロスに昇華された、そんな作品です
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