Rapportera granskning

2年越しのレビューになる。当時はまだ音声作品というジャンル自体に疎く、持っていたのは全年齢の耳かき作品が1つ、ソフトなR-18作品が1つ。音声作品の良さがわからなかった当時の僕は「なんだ、こんなものか。音だけって微妙なんだな。」くらいの感想でしかなかった。そんな中出会ったのがこの作品である。サイトを眺めていて、偶然このページに辿り着いてサンプルを聴いた。正直期待はしていなかったが、すぐに覆った。衝撃を受けた。聴き入って、興奮している事を自覚した瞬間購入手続きを済ませた。

今まで聴いてきた物とは明らかに違うそれは僕の音声作品へのイメージを変えるには十分すぎた。吐息、隠語、ちゅぱ音、溶けるようなささやき声...リピートにし眠りにつき、薄い意識の中で流れる声は起きている時より鮮明に映像を想像させる。朝になり目が覚め、視覚情報に頼りきり音声作品を微妙と評価した自分を呪い、改めて購入していた2作品も聴くと違う世界が広がっていた。

その後もR-18だけでなく全年齢の作品もいくつも買い、この2年での購入数は200を超えた。もちろん数はステータスではない。たった1つでも、自分がその作品を好きでいる事が素晴らしいのだ。実際今でもこの作品はかなりの頻度で聴いている。それは「衝撃を受けた音声作品」だからという思い入れもあるだろう。しかしそれを抜きにしてでもこの作品にはそれだけの魅力がある。音でありながら距離感のあるバイノーラル収録。野上菜月さんの演技力の高さ。男心くすぐられる素晴らしいシナリオ。文句の付け所がない。

音声作品はちょっと...という人も居るだろう、しかし音声作品というのはこういうものだ。見るな、感じろ。想像力を働かせろ。そうすれば世界が見えてくる。きっとこの作品は君の音声作品に対する評価を変えてくれるかもしれない。

音声作品を愛する者たちへ素晴らしい作品との出会いを願って。