ただひたすらに愛することを除いては、償うことはできないのだろう。しかしその愛こそが今の彼女を作り上げたモノであり、怨みの対象になり得るのだ。
いま僕にできることは、その傷から目を背けさせること、振り返らないように瞼を開かせること。
そしていつかはーーーーーーーー。
聴けばあなたが救われる、ということはありませんし、彼女が幸せになることもありません。互いを痛めつけるだけ、しかし相手がいないと呼吸すらままならない…。きっと大いに苦しむでしょう。
しかしこれは“罰”なのですから、受け入れることが義務なのです。ただ、いったいあなたと彼女、どちらにとっての“罰”なのでしょうね。たとえどちらだとしても、やはりあなたが背負わなくてはなりませんが。
ここまで訳の分からない、陰鬱なことばかり言っておきながらですが、私はこの作品を大いにお勧めいたします。作り込まれた背景のストーリー、世界観への想像を駆り立てるシンプルで可憐なイラスト、秋野かえで様の吹き込んだその命、全てが魅力に溢れています。時間の短さに対しての圧倒的な密度も列に加えられましょう。兎に角これは「良い作品」だと強く思います。どうかお聴きください。
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