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「百合色50%」 へのレビュー

オススメ! 原点にして頂点の純愛百合

2017年06月16日   凜音 さん

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レビュアーが選んだジャンル :

今回初めて小説で百合というジャンルを読ませていただいた。今回の作品については雨宮さんのイメージがしっくりくるような気がした。美嘉の小説に対する気持ち、心理学への興味はもちろんの事、彩芽の将来への考え方、それに対する価値観。全て普段の雨宮さんから滲み出る核の様なものだと感じた。
今回の作品の中で私の心が動かされたのは彩芽の様々な葛藤であった。百合ならではの同性に対する恋愛感情に関してだけでなく、将来への葛藤に私は彩芽と年齢が近いこともあり重ねられる部分があり、感情移入された。
彩芽の心情を表していく雨宮さんの一つ一つの巧みな言葉に心奪われていくことによって作品にのめり込むことができた。
だが、今回R-18という観点からみると少し物足りなかったような気がする。というのも圧倒的に声の描写が少なく思えた。喘ぎ声や吐息はもちろん必要なのだが、ベッドの軋む音、鼓動の臨場感。沈黙に訪れる時計の音。そういう描写が少なかったのではないだろうか。私はもう少しそういったモノを加えてみた方がR-18という観点からでは良いものになるのではないかと勝手に思っている。2人については百合ということを除けば幼なじみ系のオーソドックスな純愛ものだったように思える。同性という障害はあれど彩芽は友人としてみてきた相手に恋に落ち、様々な葛藤の中でぶつかり和解し、結ばれる。過程の順序、そのものに差異はあれど私がもつカップルのイメージ像としては2人はしっくりきた。最初の焦れったい雰囲気の中で始まった彩芽の自慰には私自身の興奮も促進されたが、焦れったすぎてお腹いっぱいという印象も深く残っている。それでも私は妄想という名の脳内世界を形成したし、興奮したというのも事実である。私にとっては面白いと思える作品だった。最後になるが全体としてかなり完成されていたように思える作品であった。今後の雨宮しずれさんの作品にも期待している。

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