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.　――「君は目の前にあるゲームに手を伸ばしても良いし、立ち去ってもいい。」

　この作品で一つだけ良い点を挙げるとするなら? と聞かれたら私は迷わずこう答えます。「アイシャちゃん可愛すぎヤッター!」と。
　いや本当可愛いんですって。例えるならば「仲の良い学友」とでも言うべきでしょうか。アイドルだとかそういった類の可愛さではなく、こんな子が学校に居たらなぁ、というような可愛さです。
　先輩でも後輩でも良いです。先輩でも敬語を使ってくれたら尚いいです。好き。アイシャちゃんほんと好き。可愛い……。
　…………失礼、取り乱しました。

　ゲームとしてのレビューに移りますが、ゲームに倣ってゲームブック風に言うと「君は力押しで進めても良いし、その頭脳で賢しく謎を解いてもいい。また、君が望むなら、その身体で色仕掛けをするのも一つの手だろう。」……と言ったところでしょうか。
　うろついている盗賊を片っ端から倒し血祭りにあげるも、隠れ忍び、幽霊のように通り過ぎさるも、片っ端から色香で惑わせるのも、そのどれもが可能です。
　もちろんCRPGなのである程度はレールに沿って遊ぶことになりますが、しかし、それでも「次はどんな風に遊ぼうか」とワクワクしながら何度もプレイ出来る。これは大きな強みでしょう。
　隠れ忍び、血祭りにあげ、暗殺者としての名を高めることも出来るでしょう。
　時には何度も捕まり、心折れ、盗賊たちの奴隷になってしまうこともあるでしょう。
　……けれどいつしか、ファンタジー世界では誰しもが一度は夢見る、竜狩りの称号を手にすることも可能かもしれません。
　あなたの目の前には、たくさんの可能性が落ちているのです。

　さて、ざっと魅力を挙げたところで今一度冒頭の問いをするとしましょう。
　「君は目の前にあるゲームに手を伸ばしても良いし、立ち去ってもいい。」
　「……君はどうしたい?」