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「魔法少女と呼ばないで 前編」 的鑒賞
2018年07月07日 多襄丸 先生/女士
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NTR作品には、ヒロインが彼氏以外の男に抱かれるための舞台装置として、脅迫材料の存在、スワッピング、彼・彼女の嗜好、間男の姦計などがあるが、個人的には、好きな人を助けるために必要不可欠なファクターが強ければ強いほどいい。 彼氏以外の男に抱かれるのは本当に仕方ないのか?という点において、前述した内容は、仕方なさの点においていささか弱い。他にとりうる手段がある事が、寝取られる女性の未熟さやビッチさを浮き彫りにしているからだ。 しかし本作では、この点に関して文句のつけようがない。 ヒロインが他の男に抱かれるのは必須であり、そうしなければ大切な人は絶対に守れないのだ。 彼を助けるためにせっせと浮気行為に励む。 この恐ろしい免罪符は遅効性の毒となり、ヒロインや読者をしだいに蝕んでいく。 行為の正当性が担保されていることで、彼女は堕ちているのか?堕ちていないのか?という読者の疑念を上手く揺さぶり、また、彼女の本心を巧妙に隠すことに寄与し、絶妙な寝取られバランスを保っている。 寝取られ好きなら購入することにためらう必要はないだろう。必読の一言に尽きる。 また、寝取られが苦手もしくは食わず嫌いといった人にもおすすめしたい。 寝取られを嫌う要因として胸糞感があると思うが、本作は不思議とそれが薄い。それは寝取られる免罪符の存在もあるが、もう一つは、メイン寝取り役のキャラクター性だ。 これがなかなかどうして憎めない。 多くのNTR作品の寝取り役はクズだが、この男はその一言で切り捨てるには惜しい、愛せるクズだ。この男のキャラクター造形も、寝取られバランスの均衡に一役買っている。 本格NTR作品であり、入門書としてもおすすめできる一冊だ。
(* 為必填項目)