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今年 僕は留学ついでにイタリアの水の都へ行きました。観光客も多かったのですが、街の外れまで歩いていくとちょうどこんな風に優しい波の音に気付きます。

これから始まる留学。でも、それよりもさらにそのあとの人生、考える事に疲れた僕はベンチに腰を下ろし、ゆらゆらと きらめく水面をただぼーっと眺めていました。

遠くにゴンドラとその案内人が見えます。あれに乗って街を周ったら何を感じるだろう。

夢が始まります。

優しい波の音に包まれて、まどろむ一時。ふと気がつくとさっきまで見えていたゴンドラが近づいてきます。どうやらそのゴンドラの水先案内人は女性のようで風に髪をなびかせていました。どこか悲しそうに微笑んで、僕の前をゆったり通り過ぎていきます。

不慣れな場所にいるせいか、もしくは孤独のイタズラか。僕は 思わず呼び止めていました。彼女はさっと振り向くと少し驚いた顔をしています。でも、すぐに我に返って舟をとめ、駆け寄る僕に手を伸ばしました。


はじめてレビューを書きました。優しい声と音 綺麗な心をありがとう。