舉報鑒賞

自らに課せられているあらゆる責務から逃げて、世界の片隅で長い付き合いのフェアリーと共に過ごすという作品です。

まず聴きながら感じたのは「凄く人間らしい主人公だなぁ」ということです。チート能力を手に入れて、多くの人々を助けるために戦う。でも倒さなくてはいけない敵には敵わなかった...その事実が伝わった時、きっと主人公へ人々が向けていた期待や憧れといった眼差しは失望へと変わり、そして何よりその事実は主人公の心を折るには充分だったことでしょう。そんな中で全ての地位を捨て、ひどく追い詰められた自分に変わらず寄り添ってくれるフェアリーと共に何もかもから逃避した主人公。私自身も大きな挫折をした時にもう逃げたいと思った経験があるので、主人公に人間らしさを強く感じました。

この作品の魅力はそんな主人公の人間らしさと、やはり浅木式さん演じるナツの静かに寄り添ってくれる姿だと思います。
決して踏み込み過ぎず、主人公の味方でいてくれる。そんなナツの姿にとても癒され、クールだけどその中には優しさや包容感がある、そんな声に何だか母親のような雰囲気を感じてとても安心できるナツとの時間でした。

サークルさんが仰っている内容に該当する方、何だか安心できる時間を過ごしたい方、是非購入してナツとのひと時を過ごしてみてください。きっとあなたの心に何かをもたらしてくれますよ。

ps 音声作品でここまでしっかり子守唄が収録されている作品は初めてですが、童謡からオリジナル曲まで様々な曲があってとても良かったです。唄でも癒されました。