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言葉には力が宿るということをよく聞く機会がありますが、まさしくこの作品にふさわしいのでは、と感じました。
オノマトペの擬音の前に、その情景が容易に思い浮かべられる、簡単な説明を細かく入れてくださっているのも、親切で良心的です。
そして、『ストレスを吸い取る魔女』と自称するだけあって、全トラックでしっかりストレスを吸い取られました。
中でも衝撃を受けたのは、『子供に戻る道を歩いていく』場面で、ここで聴いたオノマトペが、全て自分の記憶の片隅に存在していて、懐かしい記憶が呼び起こされて、涙が出ました。そういったところもまさしく『言霊』の力だと思います。
話の流れもとてもよかったです。丘の上、ゆったりと過ごし、大自然の音で眠りに誘われる前半トラック…眠らない人に対し、記憶を呼び起こし、子供に戻してしまう中盤…雲の上のベッドに誘われ、最後まで残ったストレスまで吸いつくしてしまう後半トラック…
ストーリー性にファンタジー的な要素が感じられて、とても聴きやすかったです。
とはいえさすがは072LABOさんの作品…というのも、冒頭の注意事項でも説明を受ける『地獄の快楽』は顕在しており、我慢した果ての気持ちよさを味わうことができるものになっていました。
総じて『言葉による気持ちよさ』を味わうことができる、予告で期待していた以上の作品でした。
演じられている声優、小石川うにさんの優しさ溢れる雰囲気の声も、より良い形でこの作品に力を与えてくださったのでしょうね…。
最後の『明日からも頑張ってください』という言葉には、生きる力をいただくとともに、製作に関わった方々の優しさが感じられました。