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「生殖の檻」 的鑒賞
2015年10月01日 ksk 先生/女士
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思ったより、女主人公が苛められることの少ない作品で、進めているうちに安心出来た作品でした。 とある極めて不幸な性奴隷の女主人公が事件で漂流し、辿り着いたその地は、極めて歪な幸福論に満ちた奇怪な島だったという冒頭から始まります。そこでは人ですらない、それどころか、牛や豚ならまだしも、脊椎動物ですらない触手やらナメクジにまで、休む暇なく徹底的に犯されてしまいます。おまけに妙な呪いによって不死身にされ、更にはどんな種でも受胎可能な身体にされてしまう。何度出産しても、子宮が痛んで産めなくなってしまうどころか、より強い母胎として無尽蔵に成熟するという、畜生達の究極の苗床にされてしまう。常にお腹に何らかの生物の子供が居るのが当たり前の状況にされてしまいます。 酷い話です。が、不思議な事に、筆者はこの女主人公が不幸に見えませんでした。 理由は、この女主人公の人間社会での元々のポジションにあります。いつ死のうが全く配慮もされず、欲望のままに性玩具にされ続け、元々が未来に何の光も見えていなかった状況だったのです。 漂流したその地は、人間こそ居なかったのですが、皮肉なことに、その人間ではない者達からこそ、余程人間らしい扱いを受けられたのです。何しろ畜生な上に生殖本能は半端ないので常に盛っていますが、怪我をしないよう身を張って助けてくれたり、衣食住の全てを与え、暖めて守ってくれたりしてくれる訳です。プレイヤーとしては心中複雑です。間違いなく畜生なのに、どうにも憎めない。元の世界の人間達だったら、いつ死んでも良い玩具としてしか見られないのに、ここの畜生達は、愛とかあるのかは分かりませんが、例えば自分の巨大なものが女主人公を傷付けないかを事前に気にしたりもする、妙な優しさを見せてくる(信愛度もあるし)。 幸せの本質をプレイヤーに問う、面白いストーリーだと思います。ちなみに筆者は残る派です。
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