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「【二人で耳かき】道草屋-いね たび-おひる。【176khzハイレゾ】」 へのレビュー
2015年12月15日 伊達さん さん
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某同人ゲームで 「安心できることと安全であるということは、同じどころか背中合わせのものだ。安心していれば安全は遠のくからだ。 でも、守ってくれる人がいるときは別だ」 なんてことを言っていたけど、それになぞらえて言えば、僕は、この作品を聴いている間、この世界に守られている、と感じたのだ。 それは殻をすべて剥かれてしまったゆで卵のような、そんな心でいることを許される、という感覚だ。 もはや音で世界を描く魔法を修得したかのような桃色CODEの音響マジックは相変わらずで、 リアルながらも丹念に小骨やトゲの取り除かれたような柔らかな声、環境音、すべてが癒しの方向を向いている。 それに加え今回の作品、キャラクターの性格を利用したアプローチには驚かされた。稲が甘えかた、甘やかされかたの手本を示して、 それをたびらこが受け止めるというモチーフが繰り返されている。 ただそのやり取りに身を委ねるだけでいい。はじめは見よう見まねで。ほぐされて、ふやかされて。 そうしているうちに思う。 あれ、肩の力の抜きかたを忘れていたかもしれない。楽にしてなんて言われて、逆に強張るようなことばかりで。 安心できるということは、一番弱い自分でいられること、それを許されるということだ。 ここでは我慢しなくていいんだよ。殻で自分を守らなくていいんだよ。うそをつかなくていいんだよ。 そうして弱い部分を優しく、やさしく撫ぜられて、傷が消えていくくすぐったさに、体が少し熱くなる。 癒されるとは、そういうことだ。
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