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「蠅声の王」 的鑒賞
2012年03月31日 熊くじら 先生/女士
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評論選擇的類別:
吸血鬼という存在が物語の題材として扱われるようになってから多く紡がれた、吸血鬼ハンターの物語の一つ。 発売された頃に話題になりましたが、この作品最大の売りにして特徴はそのゲームとしての形式。 ゲームブック、その形に徹底的にこだわっているのがこの作品です。 選択肢の結果やダイス等のランダム要素の結果によって支持されたパラグラフへと読み進めるのが当然の基本形。 しかし、それはあくまでも「ルール」です。プレイヤーが無視しようと思えばいくらでもできるもの。 故に、この作品はあらゆるフラグ管理がプレイヤーに一任されています。 普通にプレイしてもいいし、HPや所持アイテムの増減、ダイスの出目さえ無視して好きなように読み進めてもいい。 どのタイミングでも自由に他のパラグラフへ飛ぶこともできますから、どこからどう読むかも自由です。 もっとも、いきなり適当なパラグラフに飛んだら話の繋がりが見えずに訳が分かりませんが。 私はあまりゲームブックの経験がありませんでしたが、それ故に新鮮で楽しくプレイすることができました。 ゲームブックプレイヤーにはニヤリとできるパラグラフとして、14も用意されています。 また、シナリオ自体も面白く、キャラクターもそれぞれに魅力的。 それぞれが自分に定めた決意や新年の下に行動していく様は、やはりかっこいい。 全体に漂う退廃的な雰囲気と耽美さは、吸血鬼という題材そのものが持つ要素でありましょうか。 吸血鬼に関する物語が好きな方、ゲームブックプレイヤーや経験はないが興味があるという方におすすめ。
(* 為必填項目)