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「囚われの母と若君様」 へのレビュー
2016年12月03日 kappa河童 さん
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ある大名家の人質である武家の奥方が、夫の裏切りにより処刑されそうになったところ、大名家の嫡子に命を救われる。だが、大名家の嫡子が奥方を救ったのは隠された理由があった。 生殺与奪を握られた奥方が幼い我が子の命を守るため、大名の嫡子に手籠めにされたあげく側室にされるくだりは、「時代モノ」の好きなユーザーにとってたまらない。 惜しむらくは、他のレビュー者さんも指摘するように、ページ数の割に尺が短かったことと、奥方を側室にした若様が狂気に支配されていく描写に物語の後半が費やされてしまったことがあげられる。 「人質の奥方を好色な若様が無理やり側室にする」という「時代物」好きにたまらない展開をもっと見てみたかった。 夫への貞節さを持ちながらも、若様に身を任さなければならない悲哀、若様の種で世継ぎを孕んでしまうことへの罪深さ、武家の奥方が、若い性によって「母」から「雌」に落とされていく展開を、物語としてじっくりと読んでみたい。そう思わせる作品だった。
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