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「「ドグラ・マグラ」より『キ○ガイ地獄外道祭文』《全曲》」 へのレビュー

オススメ! チャカポコチャカポコ

2011年09月26日   hiro.k さん

このレビューは参考になった x 3人

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夢野久作の小説『ドグラ・マグラ』の一節である、「キ○ガイ地獄外道祭文」の部分に曲と女性ボーカルを付けたもの。

とは言っても、ドグラ・マグラを読んだことの無い方にはサッパリだと思うので、少しだけ説明を。
タイトルになっている「キ○ガイ地獄」とは、当時(昭和10年頃)の精神病院のこと。
一度入ったら出てこれない、人間的扱いをされないことから、このように呼称されている。
そこで、この歌の内容であるが、その精神病院の扱いの酷さ、精神病患者というレッテルを貼られた人の苦しみ、
精神科医のタチの悪さを歌っている。ちなみに「チャカポコチャカポコ…」という擬音があるが、この小説のこの歌の部分が元ネタ。

これは、語弊を恐れずに言うならば、ホンモノの超電波ソングである。しかも女性ボーカルで、原文をそっくりそのまま、軽快かつ軽妙に、特徴的な抑揚をつけて、完全に歌い上げている。
また、原文を10個に分割し、それぞれ曲調をアジアン調、ロック調、テクノ調、といったふうに変えているので、約90分という長時間だが退屈しない。
原作愛好者にとっては感動モノである。

ドグラ・マグラ自体未読の方で、本作のタイトルや「胎児の夢」といったキーワードに興味のある方は、
この機会に原作も読んでしまってもいいと思う。
昭和10年に書かれたとは到底思えないほど現代人の感覚にマッチしている。正直、下手なラノベよりよっぽど面白いサイコ系ノベルである。
原作未読の方には回り道になるが、原作を読んでからこの作品を思い出して聴いて頂ければ良いのではないか、と思う。

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